
まどかではなく、さやかがアルティメットになっていたらという世界
※次回以降も修正しだい、随時アップロード予定
☓ ☓ ☓
――日曜日。時刻は夕方を過ぎており、沈みかかった太陽が部屋の中を少しだけ照らしていた。
その部屋の所有者であるまどかは、机に向かい学校の宿題をしていた。
学校から提示された課題量が膨大だったため、進捗はあまり良くない。それでも4分の1をなんとか終わらすことが出来ていた。
それが無事に進んだ理由は、家の中がとても静かだったということだ。
母親は仕事に出ており、父親はまどかの弟と一緒に夕飯の買い物に出ている。
だから、普段聞こえてくる弟の元気な声が家の中で弾んでいないし、それに構う父親の声も流れてこない。その代わりというわけではないが、まどかの側にいるのは一匹の獣がいた。
「うーん、キュゥベぇはさ……こういうこと得意じゃないの?」
まどかは右手に持つシャープペンシルを口元に強く押し当てると、机の上に座っている生き物に問う。
「ボクかい? そりゃ、君たちの歴史で知らないことはないけど、実際の歴史とボクが見てきた歴史は大きく違っていたことは確かだよ」
白い生き物は机の上にある教科書とノートを覗き込むと、まどかの問いに答えた。
――その生き物の名前は、キュゥベぇ。
一見すると白くて赤い目を持つ猫なのだがそんな生物はいない。喋る猫なんてこの世に存在しない。
キュゥベぇは頷くと、もう一度教科書とノートを覗き込みながら、
「だからといって、ボクがそれを答えてもまどかの答えになるとは限らないし、それを仮に得意なのかと聞かれたら、ボクたちはそれを知っているだけで、得意というわけじゃないよ」
答えを口にする。彼が見るまどかの教科書とノートには赤色や青色の蛍光ペンが使われてあった。まどか自身はわかりやくしているつもりなのだが、キュゥベぇにはそれはわからなかった。彼にとって、それは知識でなく事実であり、紙の情報は何も意味を持っていない。
「そっか」
問いの答えにまどかは、驚かなかった。
インキュベーターの存在をよく知るまどかはその答えは当たり前だった。だから、キュゥベぇを見つめていた視線を教科書の上にゆっくりと戻した。
そしてある肖像画に目が止まった。『クレオパトラ』という名前と、説明がそこには記されていた。
まどかは目を閉じると、
「昔はすごい人がいたんだよね……」
と、ぼやきつつため息をついた。
「そんなことはないよ、まどか。君も十分すごい人だとボクは思うよ。そう魔法少女としてね」
「でも、それはその時だけでしょ。わたしはこんな風にいつでもとかできないよ」
今とあの時じゃ全然違うと、まどかは思った。
「そうかな? 物は使いようって君たちのことわざにもあるじゃないか。なら、そうできるようにすればいいだけだとボクは思うよ。君にはその資格も叶えたい夢もあったんだろう?」
「うーん」
まどかは腕を机にのせるとまたため息をつく。
「君が……、君たちが宇宙のルールを変えたのは事実なのだろう? ボクはそれについて確認のしようがないから何も言えないけど、それが事実ならまどかがすごいことをしたのは確かなことだろう。こう言ってはなんだけど、ボクにとっては君たちが話してくれた宇宙のルールはとても魅力的に思うよ」
キュゥべぇは懐かしむように頷くが、暁美ほむら、鹿目まどかのようにその記憶を持っているわけではない。彼女たちが世間話のように話しただけだ。
「そんなことはなかったよ。あんな世界はだめなんだ。誰も救われない。絶望しかしない。あなたたちインキュベーターが好きにできる世界なんてシステムはあっちゃだめなんだ」
だからこそ、まどかは強く否定した。それはあってはいけないんだと。
「やっぱり人の価値観というのは、理解出来ないな。君が今している勉強との違いがボクには今ひとつ理解できないよ」
感情の篭もらない言葉を口にしながら、キュゥベぇは机から窓辺にジャンプすると、まどかの方を振り向いた。
「お邪魔したね、まどか。ボクはそろそろ出かけるよ。マミたちの様子も見たいことだしね」
「そう。じゃぁまたね」
まどかがそれに手を振る。
「うん、魔獣が出た時にでもまた来るよ」
キュゥベぇはそう言うと閉まっている窓から外へ出ていった。窓を開けず、なおかつ着地音も移動音さえもたてず消えた。
「さやかちゃん……」
少し俯くとまどかは静かにぼやいた。キュゥベぇに言われたからというわけじゃないが、脳裏に一人の少女を思い出していた。
それは、世界が生まれ変わる前ちょうどまどかがほむらと別れた後に起こった出来事だった。
☓ ☓ ☓
あたしは恭介が生み出すヴァイオリンの演奏を、ただもう一度だけ聴きたかったんだ。そしてもっと大勢の人にその演奏を聴いてほしかったんだ。
――でも、これはたぶん、さやかちゃんが望む形じゃないんだろうなって。
その気持ちを思い出せただけで、十分幸せだよ。もう何の後悔もない、大丈夫だよ、まどか。ここまでしてくれて、本当に嬉しいよ。忘れないくらい、十分あいつの演奏が耳の中に残ってるよ。
――さやかちゃんが祈ったことも、そのために頑張ってきたことも、とっても大切で、絶対無意味じゃなかったと思うの。
まあそりゃ……ちょっぴり悔しいけどさ、仁美じゃ仕方ないや。恭介にはもったいないくらい良い子だし……幸せになって……くれるよね?
――うん。そうだね……じゃぁ、いこっか。
でも……もうあたしは十分救われたから。まどかはそこまでする必要なんてないよ。犠牲になんてならなくていい。
――えっ? さやかちゃん、何を言ってるの?
今度はさ、まどかの番。だから、戻りなよ。これはあたしの、あたしたちの仕事。まどかはその架け橋をあたしたち、魔法少女にくれた。あたしがまどかのことを思い出せたのが、その証拠。だから、生きて――あたしたちの分までもさ。まどかにはその資格もやりたいことも本当はあるんでしょう?
――やりたいこと? だって、これがわたしのやりたかったことなんだよ? だから願ったんだよ? そのためにわたしは魔法少女になったんだよ?
ううん違うよ、まどか。確かにその願いはこうやって今現実に叶ったけどさ、みんなと一緒にこの何もない世界に残り続ける必要なんてどこにもないよ。仮に残る必要があるならあたしが残ればいい。それにね……救われてないんだよ。魔法少女の中、たった一人さ。
――救われたよ。みんなが、魔法少女が悲しい思いなんてしなくていい世界が生まれたんだよ。
ねぇ、まどか? 違うんだよ。円環の理にきて、ようやく思い出せたよ。まどかの気持ちもね、何もかもがさ。
――ううん、違うの。わたしはみんなを助けなくちゃいけないの。円環の理に導いて、インキュベーターから、みんなを助けなきゃいけないの。その中でさやかちゃんも――。
いいや、いいんだって。だからさ、もう振り返らないでいきなよ、誰も文句言わないからさ。
――さ、さやかちゃん!?
さよなら、まどか。そして、ありがとう。
☓ ☓ ☓
そういって、美樹さやかはまどかの代わりに円環の理となった。そしてさやかはこの世界から消滅した。本来消えるはずのまどかの代わりに全ての因果を引き受けたのだった。
まどかは自分の中にある確かな記憶を思い出しながら、机の引き出しを開けた。
「……」
その中にはいくつかのアルバムがあった。そのうちの一つを取り中身を見てみるが、まどかが見つけたい人物はそこには誰もいない――さやかがいないのだった。いるべき場所は透明に変わっていた。
記憶は、さやかには繋がらない。いなくなった少女をこの世界は認識していなかった。
「っ……いけないよね……さやかちゃん。こんなわたしは……」
まどかは涙ぐみながら目をこすった。拭った服の裾がそのたびに濡れていく。
「んっ!」
少し落ち着きを取り戻したまどかはアルバムを見ていた姿勢を伸ばし起こすと、何かの電子音が鳴っているのに気がついた。
「……玄関?」
耳をすましてみれば、それは一階で鳴っている家のチャイムだった。特徴のある電子音。その音が規則正しくメロディを奏でていた。
部屋にある時計を見ると、写真を見始めて大分経っていた。
「はーい」
まどかは声をあげると、教科書にシャーペンシルを挟んでから席を立つと、訪問者に会うべく部屋を出た。
途中立ち寄った洗面所で鏡に写った自分の姿に、まどかは思わず苦笑してしまう。なんてひどい顔をしているんだろうと、さやかはこんな気持ちにさせるためにあそこに残ったわけじゃないと、心の中で言い聞かし、深呼吸してもう一度鏡を見る。
「よし!」
若干まだ涙の後が少し残っているが、そこには笑顔が自慢の少女がいた。
「どちら様でしょうか?」
まどかが玄関を開くと、
「あれ? ほむらちゃんどうしたの?」
休日なのに、なぜか制服姿のほむらがそこに堂々と立っていた。予期せぬ人物に驚きの表情を向けると、
「……宿題、進んでいるのかと思って」
ほむらは学校指定のカバンを掲げた。ほむらの言葉からまどかは『宿題をちゃんとやっているの?』という風に認識すると、
「あはは、あまり進んでないかな……」
右手で顔をかいた。
そして『さっきまでやってたんだ』とほむらに口走る。
「じゃぁ、一緒にやりましょう。私もあまり進んでいないわ」
ほむらがカバンの中からノートを取り出しその中を見せると、確かにそのノートはほぼ白紙だった。ほむらはまどかが確認するのを見計らってノートをカバンへ戻した。
「そうなの!? じゃぁ、入って入って。ほむらちゃんすごい勉強できるもんね。すごく助かるよ」
まどかは扉を大きく開けるとほむらを家に招き入れた。
ほむらは学校内で上位に食い込むほどの成績を持っている。それは学校に行けなかった分、皆に追いつこうと努力したことと、何度も同じ時を繰り返すうちに覚えた結果である。
「……お邪魔します」
ほむらはそう言って一度おじぎをすると、鹿目家へと足を進めた。そして、靴をきれいに並べて身体の向きを廊下へと戻すと、当然のように迷うことなくまどかの部屋がある方向へと歩き始める。
「ほむらちゃん、わたしの部屋わかる?」
その声に反応するかのように動きを止めたほむらが肩越しに振り向く。
「……もう、何度も来ているから大丈夫」
その顔には少し笑みをこぼしていた。
「そうだったね」
その言葉を聞いて、ほむらはまた前を向いて歩き出していた。
「ふふ、久しぶりだな。ほむらちゃんがうちに来てくれたの」
世界が新しくなってから毎日のように、ほむらはまどかの家を訪ねていた。それは本来まどかがなるはずであったものが、さやかが代わりになってしまったために何か起こるかもしれないという心配ごとからだった。
しかしながら、何も変化がないことに安堵して、鹿目家を訪れるのを躊躇していたのだった。
まどかが飲み物を用意してから部屋に戻ると、ほむらはノートをペラペラとめくっていた。
「ちょ、ちょっとほむらちゃん!? 恥ずかしいからあまり見ないでほしいんだけど……?」
「綺麗な字だと思って」
机の上に二人分の飲み物を置くと、まどかはほむらに微笑んだ。
「そ、そうかなぁ? じ、じゃぁ、勉強しようよ! あ、そうだ。ごめんね、椅子がなかったね。ちょっと待っててね」
まどかは誤魔化すかのように、押入れの横に置いてある小さな椅子の方へと歩き出す。この小さな椅子はほむらのためにまどかが前に用意したもので、かわいいくまの刺繍がされているものだ。
その刺繍はあまりにかわいすぎるから『私じゃなくて、まどかが使ったほうがいい』とほむらは、最初遠慮がちだったのだが、まどかの押しに負け結局使うことになっていた。
「はい、ほむらちゃん。特等席だよ」
先ほどと変わらない微笑で、その椅子を手渡すようほむらへと向けた。
「うん、ありがとう」
ほむらはそれを受け取ると一度ため息をはいた。そしてまどかの席のすぐ隣に、クマの顔がほむらを見つめてくるような形でそれは置かれた。
「また、見ていたの?」
ほむらが何かを見つけ口にする。ほむらの視線の先には、先ほどまでまどかが読んでいたアルバムが教科書の下から飛び出ていた。突然の訪問者に隠すのが不十分だったのだ。
「あっ、ごめんね。すぐに片付けるから」
慌てて片付けようとしたまどかを制するように、
「いえ、いいわ。先にこれを見てからにしましょう。その方がきっとまどかにとって良いことだと思うから、それに泣いていたのでしょう?」
真剣な眼差しをまどかに向ける。
「あはは、え、えっと、そ、その……ほむらちゃんには誤魔化せないんだね」
そう言いながら、まどかは自分の席へゆっくり座り、
「……うん、ほむらちゃんがそう言うなら」
その様子に安堵しながらほむらも用意された席へと腰を落とした。
「懐かしいというべきなのかな、恥ずかしいというべきなのかな。こうやって、人にアルバムを見せるってことはあまりしたことないから……。ていっても、ほむらちゃんはもう何度も見てるんだよね? ごめんね、本当にわたし……」
「まどかは何もあやまる必要ないわ。悪いのは勝手にアルバムを見ようとした私。そして、この世界へと戻した美樹さやかのせいよ」
「そんな言い方ないよ。さやかちゃんだって、たくさんたくさん悩んで悩んだ結果だったんだよ。本当のことはわたしにもわからない。でも、わたしたちはずっとずっと一緒だっただから、少しわかるの」
まどかは少し悲しい顔をほむらへと向けていた。それを見たほむらは戸惑うような形で、
「……ごめんなさい。私がこうしてまどかにもう一度会えたのは美樹さやかのおかげなのは理解しているわ。でも、こうなってもまどかを苦しめるのだけは許せない」
と言葉を返した。またまどかを泣かせることはしたくなかったのだ。
「あはは手厳しいね、ほむらちゃんは。わたしはそうは思ってないよ。勝手にわたしが思ってるだけだもの。さやかちゃんは全然関係ないよ」
「そう」
そう言いながら、ほむらはアルバムを閉じ、
「じゃぁ、この話は終わりね。勉強しましょう。そのために来たのだから。あの先生の宿題の数は魔法少女よりもよっぽど大変な仕事だわ」
と少し口元を緩めた。
「そうだね」
まどかも微笑み返すと、アルバムを引き出しの中に大事そうにしまった。
夕食を食べ終わったまどかとほむらは、軽い挨拶を済ますと部屋へと戻った。
ほむらにとっては数日ぶりの鹿目家での夕食だった。本来であれば、夕食を一緒に食べる予定などないのだが、知久の説得によっていつも断れきれなくなり、毎回食べている。
そのため鹿目家にとって、ほむらは顔なじみの存在になりつつあった。
『暁美ほむら』という名前が、『美樹さやか』の代わりになりつつあるようにほむらは感じていた。
――この世界での美樹さやかは、私なのだと……。
「ごめんね、タツヤが髪の毛引っ張っちゃって」
まどかが苦笑しながら窓を開けた。それにより、空気の流れが変わる。
「いいわよ、いつもされていることだし、それにまどかの弟なら別に構わないわ」
ほむらの表情から怒っていないのだとまどかは感じ、
「そう、ありがとう」
「夕食はよかったの? 私なんかが一緒で」
「それこそ、構わないだよ。ほむらちゃんにはいっぱいお世話になってるしね」
まどかはそう言うと、ベッドへと腰掛け、
「うーん、お腹一杯になっちゃったから、勉強はもう少し経ってからにしようか?」
お腹をさすりながら微笑した。
「そうね」
ふいに何かの視線のようなものを感じるとほむらは窓の外を見つめた。窓の外には雲は殆ど見えず、住宅街の明るい光が見えた。もちろん、見ている人の影や魔法少女の気配はない。
「何か見えるの?」
「……いいえ、何も。あえて言うなら変わった世界というものかしらね」
気のせいだろうかと感じるほむらの髪を、窓から吹き込んだ風が優しく撫でた。
「いいよね、ほむらちゃんは髪の毛がサラサラしてて。わたしは髪の毛伸ばしちゃうとすごいことになっちゃうから……さやかちゃんもそういえば……」
そう言って、まどかは黙った。そして横たわるとほむらからまるで顔を隠すように反対方向へその向きを変えた。
沈黙がまどかの部屋を支配した。一度意識を逸らしたはずなのに、またさやかのことを思い出して、まどかが泣き始めてしまう錯覚をほむらは感じ始めた。
「っ――」
ほむらは気づくとまどかの元へ歩き出していた。少しでもこの嫌な空気の流れを変えたかった。
「ま、まどか!」
ほむらが声をかけた時には、まどかはほむらに押し倒されたかのような形になっていた。左を見ても、右も見てもほむらの手が見え、まどかの正面には無表情のほむらの顔が見つめていた。
「ほ、ほむらちゃん?」
まどかはほむらの挙動に少し戸惑ったが、その感情はすぐになくなっていた。
「……っ」
まどかにはほむらの無表情の中には少し戸惑いが見えて、身体を小刻みに震わせているように見えたからだ。
「……大丈夫?」
まどかはその震えが気になり確かめようと右手でほむらの頬を触ると、その身体は考えていた通り震えていた。小刻みにテンポよく。
「あっ……!」
ほむらが悲鳴に似た声を一瞬だけ放つと目を閉じた。
「ほむらちゃん、どうしたの?」
「うっ、ぅぅ……」
ほむらは唸り声を上げると、閉じた瞳から涙を溢れさせていた。それがまどかの顔へと伝うと、ほむらの身体は崩れるようにまどかへと覆いかぶさった。
「大丈夫だよ、ほむらちゃん」
泣くほむらを落ち着けようにまどかは、うめき声をあげるほむらの頭を優しく撫で、口を塞ぐように深いキスをした。
その衝撃にほむらは目を開け、一度頷き涙が止まろうとした瞬間、
「「!?」」
二人は同時に体の背筋を伸ばした。それは魔獣が現れた時に稀に起こる魔法少女の条件反射だった。
「……ほむらちゃん、気づいた?」
その感覚を確かめるべく、まどかはほむらに考えを伺う。
「……」
ほむらはまどかを傷つけないようゆっくりとベッドから離れると、窓の奥を見た。窓の外には相変わらず、ただ暗い街中しか見えない。
だけど、この感覚は魔獣が出現したものだとほむらは思った。
一度深い溜息をはくと、
「……そうね。その通りだわ」
乱れた服を整えた。もう表情は曇っていなかった。
「――魔獣よ。本当に最悪ね」
そして視線の正体にうんざりした。違和感ではなく、現実だったと苦悩した。勉強も、まどかとの時間もこれでなくなってしまうと不快な気持ちでいっぱいになりそうだったが、
「さぁ、いこう!」
満面の笑みをしたまどかが手を伸ばすと、
「……えぇ!」
同じように微笑んで、ほむらはその手を取った。
スポンサーサイト