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R.U.K.A.R.I.R.I | 背中越しの笑顔 最終章
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2007.10.28
最終章「ソレハソレニツイテイク」



最終章「ソレハソレニツイテイク」


かちかちと時計の音だけが部屋に響いている。
それ以外の音はない。
静かだ。
まるで世界が闇にそまってしまうかのようだった。
そう・・・孤独を感じていた。
真由奈、ひずみ先輩は死んでしまった。そして慶介までもが
行方不明となった。それで歩が学校にこなくなった。
香奈はいつもどおり何事もなかったように過ごしているな。
まぁあいつの性格は悔やんだりしたりするまえに、前に進もうってのが
すごく強いんだろうな。
俺はそんなに強くないんだ。この想いだってこんな状況になってやっと気づいた気持ちだ。
だがなぜ今更なんだろう… まるでそれはそうなるように決められていたかのように感じてしまうのはなぜなんだろう…
そんなことを考えても結局は答えはでない。
「つくづく、いやなことばかりが起こるよ…」
次から次へと人が死んでいく、深まる謎、すべて自分が
関わっている登場人物…
だが、ひとつだけわかったことがある。
それは兄さんが生きているという事実である。
そう、ただその事実だけが真実なのかを知りえることはできなかった。
だから、俺は昔兄さんとの連絡方法として使っていた方法を試みようと思う…
兄さんが生きているのならば…
その場所にやってくるはずである…
逆に来なければ…
 俺はさくらと共にこの町からしばらく離れたほうが身のためになると俺はそう考えた。
その連絡方法は以前、俺に兄さんが教えてくれたことであった…
「なぁ、さくらお前はどこにも行かないよな?」
「私はりょうちゃんのそばからどこにも行かないよ!」
さくらが俺を力強く抱きしめてくるのを感じながら夢の中へと落ちていくであった。

絶望が人を強くすることがある。
それはきっと兄さんを狂わせ、過ちを犯させたのだろう。
朝日が昇り始めるこの時刻、人の気配はほとんどない。
動物たちだって気配を感じない。ほとんど世界にいるのは自分だけと
感じてしまう瞬間かもしれない…
さぁ、そろそろ約束の時間だ…
ビルの扉が音をあげながら開いた。
そして、一人の男がこちらに向かって歩いてきた。
「まさか、本当に兄さんが生きているとは思わなかったよ。」
「ひさしぶりだな、涼介。あぁ俺は生きているとは言わないさ。
死んだことにしたほうがなにかと行動に制限がかからないんでな。」
頭をかきながら目の前にいる兄さんは俺に話しかけてくる。
「あぁ、いつだったかな…」
目の前にいる兄さんはなぜか兄さんではないような気がした。
「ん?どうした。会いたかったんじゃないか?」
「あぁ、もうこれ以上犯罪を犯してほしくないんだよ。」
「ふ、なんのことをいっているのかな。」
「もう、わかっているんだよ。」
兄さんの右手には銀色に光るナイフが握り締めているのが、
キラキラと反射してわかった。
「こんなことをしてひずみ先輩が喜ぶと思っているのか?」
「そんなことはもはやどうでもいいんだよ。俺を馬鹿にしたやつは全員俺が死の鉄槌を与える。そう、いわば俺は神だ、神なんだよ。わかるか。」
「そんな兄さんの理屈なんてわからないさ。」
「もう死んだものは蘇らないし、なにも語らないんだよ。
今ここで兄さんが行動してもなにも変わらないさ。だからもう・・・」
「ははは、そんなことは既に承知さ、だがな… やらなきゃ変わらないこともあるんだよ!」
少しずつ、兄さんが近づいてくる。まずい兄さんは俺も殺す気でいる。
その目は兄さんのいつも見ている…いや、見ていた本気の目であった。
「くっ。」
左へ飛ぶと同時に同じ方向に兄さんも飛び出してきた。
「さすがに逃がしてはくれないか!」
「あぁ、お前が生きていると俺の障害となるからな。ここで息を止める。」
距離をとって様子をみようとするが兄さんのフットワークによって追いつかれてしまう。
「くっ!」
「ほらよ!」
その瞬間、衝撃がはしった。
それはお腹を狙った一撃。しかしその一撃はそれて右手にあたり、
衝撃で地面に倒れてしまった。そのとき右手がへんな音をたてた。
そのまま転がるようにして端へと飛ばされてしまった。
なんとか立ち上がり、なんとか逃げようと試みる。
いやな風だ…冬でもないのにこんな冷たい風なんてふくなよ…
まぁたんに俺の神経が今とても敏感だってことかもな!
「う!」
動こうとしたその瞬間首筋が冷たい何かを感じた。
「チェックメイトだ涼介。もうあとがないってのをこういうことをいうんだなきっと。間違いないな。」
なんとか離れようとするが少しでも動けばナイフが首筋を動き、首をきることになってしまう。
また兄さんをふっとばしたとしても確実に首に重症をおくことになる。俺の右手は兄さんの左手によって押さえ込まれているが、左手が空いてる。
しかしその左手もさきほど転んだときのダメージでうまく握ることはおろか力が入らない。
まさしく兄さんが言うとおりチェックメイトってやつだなこれは。
「…なんとかできると俺はいつでも思っているよ。」
「そんなことができるならな、俺だってなとっくにやっているよ。できなかったから、これがその結果なんだよ。お前にそれがわかるのかよ!」
兄さんの目からたくさんの涙がこぼれていた。
「そう、奇跡だって。運だってな。結局は役に立たないんだよ。どんなこと全てのことができても何も守ることができないんだよ。」
「あぁ、兄さんの気持ちなんて俺がわかるはずもない。だけどなこんなやりかたは間違っている。こんなことをしたって…」
「じゃぁお前ならどうしたんだよ。結局力がないものはなにもできないだよ。俺はあの状況になって始めてそれを知った。だがそれはもう遅かったんだ。ならばもう二度とあのようなことおこさないようにするのが一番だって考えたんだよ!」
「に、兄さんやはり自首はしてくれないのか?」
そろそろこの状態はだめだ…
 なにかの弾みで間違いなく首がきれる。
「わかっているだろう?もう無駄なんだよ。俺のために糧となって死んでくれ涼介!」
「!」
ナイフに力が入ったと感じたとき、ふとおかしなことが起こり始めた。
「なん!うっ…。」
突然、頭を兄さんが左手で押さえ始めたのだった。
「あぁ、わかった。自首するよ。」
 !
なんだ…
今のは…苦しみ始めたと思ったら…
首筋を冷たく冷やすナイフを感じながら兄さんが突然豹変したのを感じだ。
そうこの豹変がなければこのとき間違いなく俺は死んでいただろう。
しかし、なぜ豹変したのかはわからなかった…
その後兄さんは言ったとおり警察に自首するのだった。
俺は兄さんと一緒に警察についていった。それはたった一人の兄弟として、
けじめであると考えたからである。そのときにはさくらにも一緒についてきてもらった。
これですべてがおわったと思ったからである。


それから幾年かの時が流れるのであった。


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