2009/11/17 ココについての学園シーン等修正
2008/5/25 初期
魔法少女リリカルなのはVAV
~魔法の誘い~
それは、一人の少女の母親を探す物語。
力がないのがいやだった。
力を得た少女が最初に立ちはだかったのは
母親の失踪
少女は、母親を探すことを決意する。
そして、少女は力を手に入れた。
母親を探す事件……
それは遥かまだ未来。
力を手に入れたからこそ、起こる問題が彼女の内でおきようとしていた。
②
× × ×
次の日、ヴィヴィオはいつもと同じように学園に向かった。
“ただ1つ”ユニゾンデバイスとしてココを連れて行くこと以外変わりはない。だけれども、それは学園内では大きな変化であった。
ヴィヴィオであっても、朝起きると、いつもと違う顔がそこにあり、いつもと違う朝食。全てのことに対して変化があることであった。
ヴィヴィオの教室内はいつもと違って騒がしかった。どうやら、ヴィヴィオとココが一緒に学園内に入っていくのを多くの人が見てうわさになっているようだ。
ただでさえ、高町なのはの娘、普通とは違う魔力光、オッドアイをもち、転校初日のアイドルとお話をするといって、ヴィヴィオは学園内で知らない人は誰もいなかった。
そのため、既に学園内ではヴィヴィオがつれているココの話題が浸透していた。
「きゃあ!ヴィヴィオちゃん。このこかわいいね!」
そういうとピンク色の髪の友達がヴィヴィオの肩に座るココをなでた。ココははじめはいやがっている様子を見せたがあきらめたのか、なでられ続けていた。
教室に入ってから、ずっとこのパターンで終わりが見えなかった。教室をのぞいている人がいたりと、普段と違い騒がしいという状況であった。
「ねぇねぇ、私にも撫でさせて!」
昨日と違い、ヴィヴィオは学園でちやほやされていた。とはいっても、昨日は昨日で別の意味でちやほやされていたのであるが。
ヴィヴィオがというより、ココが目立つ理由としては、ヴィヴィオ以外に誰もユニゾンデバイスを所持していないのために、この事態は当然というか当たり前のことであった。
ヴィヴィオがちやほやというよりはココがちやほやといった方が正解であるが、ヴィヴィオはそんなことは気にしていないようである。ゆえになでられ続けられるココを見ながらヴィヴィオはにやにやと笑っているだけである。
デバイスといえば、生徒であったとしてもデバイスを所持していない生徒もいた。ヴィヴィオといつも会話をしている女の子であっても所持していない。現在うれしそうにココの頭をなでているこの少年も所持していない。
所持していない理由としては、家庭の事情や、特別なデバイスを欲している。あとは所有している本人の特殊スキルにより普通のデバイスでは対応できないなどが主な所持していない理由である。単純にデバイスを持たせるのが危険と判断する親が多いというのも現実であろう。
魔法をうまく扱えないものがデバイスを持つことの危険性ということだ。いわゆる包丁を振り回すのと同じことである。
そして、ちやほやされる理由の1つとしては基本的にユニゾンデバイスがよっぽどの理由がない限り使用する者はいないからである。
ユニゾンデバイス、または「融合騎」とも呼ばれるデバイス。
使用者と融合することで、言わば内部から術者を補佐する古代ベルカ式特有のデバイスであり、
非常に高性能だが、融合者には適性が必要で、おいそれと誰でも使えるわけではなく、さらに事故が起きる可能性も高いことから、使用者はほとんどおらず、現在、使用者として確認できている融合デバイスをメインで使用する術者は「最後の夜天の王」八神はやてただ一人である。
そのため、使用者はいないのである。それに、元々融合デバイスというものが少ないのだ。
八神はやての補佐としてリインフォースⅡは、多くの雑誌等で見かけたりすることが多いのだが、他の次元世界での融合デバイスはあまり知られていないのだ。そのため、存在しているかすら危うい点がある。だからこそ、珍しがってちやほやされているのだ。
しかし、公言しないだけで存在は多数確認されているとかつてなのはは、ヴィヴィオに話していた。
「はは、なんか人気者になっちゃったみたいだね」
ヴィヴィオはまわりにいる同級生の少年少女や、上級生に囲まれながら肩に座るココへと話しかける。
「当然です、ココは最高傑作のデバイスですから」
ココは小さい胸を張りながらそういう。
「そうなの?」
ヴィヴィオは教室の時計を見てそういった。
「そうです、そうなのですー」
その日は、リインフォースⅡから早速ユニゾンについてのくわしいお話を聞けるということもあってか、今日のヴィヴィオはいつもにまして明るかった。
そんなヴィヴィオを見てかココもうれしそうである。
「楽しみ~」
ヴィヴィオには聖王の記憶はあっても、ユニゾンをしたという記憶は残っていない。
つまりは、生涯初めてのことであるのだ。
その姿を、遠くのほうから見つめる影があることにヴィヴィオは気がつくこともなかった。
その視線は、時に獣のような視線を放つが口元は笑っていた。
× × ×
「……です。ですので……なのです!」
リインフォースⅡが興奮しながらそう言い放つ。
ユニゾンをするときって、どんな気持ちになるのだろうか?
もしかしたら、爆発とかしないだろうか?それとも、どこか楽しい?怖い?気持ちいい?
そんなことを考えながら、ヴィヴィオはリインフォースⅡの話を聞いていた。
半分、聞いていないといった方が正解なのかもしれない。
ココは、リインフォースⅡの話を聞く気がないのかそっぽをむいた。
「って、ヴィヴィオ!?話を聞いてますですか?」
リインフォースⅡがそれに気づいたのかヴィヴィオのおでこをつつく。つつくといっても、サイズがちいさいためかちょこんと押す程度になってしまう。
一回回し蹴りをしてどうこうという話をヴィヴィオは聞いたことがあるが、ヴィータにつかまれて説教されたということだ。
「うにゅ!?うん、聞いているよ」
ヴィヴィオは、予想外の行動と前のものがみえてなかったためにびっくりした。
「なんか、反応が怪しいです。でもまぁ、早速ユニゾンしますかね」
リインフォースⅡはヴィヴィオの様子を見たからか、眉毛が最初ぴくぴく動いていたが、腰に手をあてるとにっこり笑ってそう言った。
「わーい、もうユニゾンしていいんだ。やったね、ココ」
ヴィヴィオが笑顔で隣で空中に浮いているココにそういう。
「そうなの?」
ヴィヴィオの話を聞いているのか聞いていないのか、ココはあさっての方向をむいていた。
「ですが、実際にヴィヴィオのユニゾンデバイスとなったココとユニゾンするときは、なのはさんが見てくれるときですので今回はこのリインとユニゾンをして実際に感覚を感じてほしいです」
リインフォースⅡがヴィヴィオの目の前で一回転した。
「えー、ココはじゃぁどうすればいいの?」
そっぽをむいていたココが、リインフォースⅡに近づく。
「ココはですね、あっちのほうで見ていてくれればいいですよ」
遠くの芝生の方を指差すリインフォースⅡ。
その動作は、ある人からみると「あっちいけ」といってるようにも見える。
「なんなの!その言い方!まるでココが邪魔者みたい!!」
「べ、別にそんな意味でいったわけではないですよ」
そうはいいつも、リインフォースⅡの顔はいたずらっこのように顔がくだけていた。
③へ続く
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