2009/12/06 一部修正
2008/06/01 初回
魔法少女リリカルなのはVAV
~魔法の誘い~
それは、一人の少女の母親を探す物語。
力がないのがいやだった。
力を得た少女が最初に立ちはだかったのは
母親の失踪
少女は、母親を探すことを決意する。
そして、少女は力を手に入れた。
母親を探す事件……
それは遥かまだ未来。
力を手に入れたからこそ、起こる問題が彼女の内でおきようとしていた
③
リインフォースⅡは、怒るココを見ながら昔に起きたあることを思い出していていた。
それは、まだココの存在が生まれるだいぶ前のこと。シャリオとユニゾンデバイスのありかたについて二人で検討しあっていたころのことである。
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リインフォースⅢ・Type K.O.K.O。
メインフレームは、リインフォースⅡを基にして作られており人格型の融合デバイスである。
身長はリインフォースより若干小さい約26cm。
姿、身長は自由に変えられるが基の特徴的な形はかえられない。
例:性別、髪の色、胸の大きさなど。
その能力の真価は、融合デバイスであるため適合する騎士との融合による飛躍的な能力向上にあるが、単身での魔法使用も可能である。
Type K.O.K.Oは、本来リインフォースシリーズとしての処女作つまり、試作機として作られていた。
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しかし、ヴィヴィオが暴徒に襲われる事件が起こったことにより、急遽ヴィヴィオを守る力及び、ヴィヴィオの力の覚醒のためのデバイスとして見直されたというのがココが今こうして生まれた本当の理由である。
とはいっても実のところリインフォースⅢは、元々ヴィヴィオのデバイスとして融合デバイスの模索もされており、作業自体は難しくなくすぐにこうして形となって生まれた。
しかしながら、ユニゾンデバイスのシステム半分以上はブラックボックスである。
それは、完成後にわかったことであり、この問題は聖王ヴィヴィオのためにつくったために起きたものなのかは定かではない。
聖王の器のためか、また他の特有スキルのせいなのかわからない。一つだけわかっていることは、ヴィヴィオ以外のユニゾンは危険性が高いと考えられるところと、未だに未完成の部分が多いということだ。
髪の毛が黒色というのと、性格が異なるぐらいの判別がリインフォースⅡと見比べる点である。
とはいっても“彼女”リインフォースⅢが動き出したのはつい最近のことである。そこにはリインフォースⅡ、なのは、シャリオのそれぞれの想いがそこには複雑に絡み合っていた。
リインフォースⅡが、装置に入っている“少女”を見つめる。
「リインフォースⅢ・Type K.O.K.O。本当であるならばあなたはこうして生まれてくる必要はなかったのかもしれませんです。でも、時代はあなたという存在を必要としているのです。だから、ヴィヴィオをずっと守ってほしいです」
「……」
目をつぶるリインフォースⅢ・Type K.O.K.Oは何もいわない。その姿はリインフォースⅡがいっていることを理解しているように健やかな眠りであった。
「ほんとであったら、もう少し目が覚めるのが先であったはずです。はやてちゃんがいうにはやはり、ヴィヴィオが戦う運命にあるということですか」
まるで自分をそう納得させるかのようにリインフォースⅡは、最終チェックを行った。そして、問題がないことを確認した上で、目を覚まさせるスイッチを押した。
「おはようです」
リインフォースⅡが笑いかける。
「……おはよう……です」
リインフォースⅡとリインフォースⅢはこうして出会った。
それから、まもなくしてヴィヴィオのユニオンデバイスとなるべくしてヴィヴィオの元へとやってきたのである。
× × ×
リインフォースⅡが目を開き、ヴィヴィオの右手をつかむ。
「さぁ、いきますです」
「はい」
ヴィヴィオは、呼吸を整える。
「ユニゾン・イン!」
ヴィヴィオとリインフォースⅡが声をそろえてそういう。
それと同時に周囲を多少の魔法震が襲った。
襲うとはいっても、被害がでるほどのものではなく気持ちよい風が通っていくか気づかないかぐらいのものである。
「……」
黄色かった髪の色は、少し薄い黄色へと変わった。
服装は、なのはが用意したジャージ姿のままである。元々バリアジャケットを展開するデバイスを所持していないためか、リインフォースⅡが展開しないだけなのかはさだかではないが服装は変わらない。
一瞬、リインフォースⅡが首を傾げていたのをヴィヴィオはもちろんココですら知ることなかった。
「……どうですか、ヴィヴィオ。ユニゾンした感想は?」
「うん……不思議な感じ。どこか懐かしく、力が沸いてくるかのような」
ヴィヴィオは両手にこぶしを作る。
「魔法でも使ってみますです?」
「うーん、でも私あまり魔法じょうずに使えないんだよね」
右手を開くと、魔法光が発した。
「大丈夫ですよ、はやてちゃんも細かい魔法制御は得意でないですから。そこだけ見るとなのはさんに似ているかもしれませんね」
「ママに?」
「そう、全力全開です!」
「そうならいいな」
「でも、すんなりとこうしてユニゾンができるですからきっと今度のユニゾンもうまくいくですよ」
「そうかな、そうだとうれしいよ。ココは私のデバイスなんだもん」
「そうですね」
ヴィヴィオが目を閉じる。
「……」
リインⅡも感じ取ったのか、魔力コントロールを始める。
「そうです、ヴィヴィオその調子です」
お互いの調子を合わせる。周りからは瞑想しているだけにしかおそらく見えないだろう。
しかし、ヴィヴィオの両手には少しずつ魔力が集まりつつあった。
カイゼル・ファルベ。
ヴィヴィオがもつ虹色の魔力光。
その光の反射具合によってそれが見えにくくなっているのかもしれない。しかし、野球ボール並の魔力が集まりだした頃にはもう他の人でも見ることができるほどに輝いていた。
「そうですね、ヴィヴィオはこの状態での戦闘スタイルとなのはさんから聞いたですよ。では、とりあえずこれを向こうに飛ばしてみましょうか」
リインフォースⅡが、ココのいる場所を指差す。
「だ、大丈夫かな?」
「ココなら大丈夫ですよ、そんなにリインたちはやわに作られてませんです」
リインフォースⅡが笑う。
「うん、じゃぁ……はぁ!」
ヴィヴィオが目を開けた瞬間、両手の魔力光が手から離れるとある一点目掛けて全て飛んでいった。
「あ、あれ……なんでココの方に飛んでくるのかな……!」
ココが飛んできた魔法に対応すべく防御魔法を展開する。
「……シールド」
ヴィヴィオが放った光は、ココの防御魔法に吸い込まれるように消えていった。
「こらー、リイン!ココを狙うとはどういうことなの!説明を要求しますです!」
そう叫びながら、ヴィヴィオの元へとココが飛んでくる。
「あらら、防がれちゃったです」
残念そうにリインフォースⅡがそういう。
「さて、あんまり度が過ぎるとしょうがないので、ユニゾンをといていきますかね。もうチェックは終わったことですから」
「そうだね、ココがさびしそうにこっちを見ているみたいだからね」
ヴィヴィオが楽しそうにいう。
声が聞こえたのか、ココがヴィヴィオたちに向かって何かを言っていた。解読するにそれは、別にそんなこと思っていないんだからと解釈できた。
にっこりと笑いながらユニゾンをといて、ココの元へ向かう二人だった。
(なんでだろう?どうして、なのはママ……
私とココをユニゾンさせてくれないのだろうか?でも、それももうすぐ……それもママと一緒なんだから文句をいったら撥が当たっちゃうよね)
ヴィヴィオがそう感じていたことは誰も知ることはなかった。
このとき、感じた気持ちがあったために、“あのことが”起きたのかはわからない。
あの状況になるなんて誰も……知っているものはない。
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