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R.U.K.A.R.I.R.I | 魔法少女リリカルなのはVAV 第二話「ユニゾンイン」④
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2010.01.17
2010/01/17 色々と修正


2008/6/16 初版

魔法少女リリカルなのはVAV
~魔法の誘い~

それは、一人の少女の母親を探す物語。
力がないのがいやだった。
力を得た少女が最初に立ちはだかったのは
母親の失踪
少女は、母親を探すことを決意する。

そして、少女は力を手に入れた。
母親を探す事件……
それは遥かまだ未来。
力を手に入れたからこそ、起こる問題が彼女の内でおきようとしていた



× × ×

 初めてのユニゾン体験して、それからしばらくの時が流れた。
 その間、いつもと同じようにヴィヴィオは学校へと通っていた。
「次のユニゾンは、いよいよココとのユニゾンです。楽しみにしているですよ」
 そういって、リインフォースⅡとユニゾンをした後、別れたのであった。
 つまりは、連絡待ちをしているということである。ヴィヴィオは流行る気持ちを抑えながら、毎日子供の日課である学業へといそしんでいるのであった。
 あれから、今のところなにもヴィヴィオにリインフォースⅡから連絡はきていなかった。
「あれ、ヴィヴィオちゃん。それにココちゃんも今日は遅いんだね?」
 いつもヴィヴィオとお話をしている少女が教室に入ってきたヴィヴィオにそういう。
 確かに、いつものヴィヴィオは始業のチャイムがなるギリギリの時間に教室へ入ることはない。それは、家が遠いこともあり一歩間違えれば遅刻コース確定だからである。
 だからこそ、ヴィヴィオは毎日始業のチャイムがなる一時間前には自分の席には座っているのである。
「うん、ちょっとママに呼ばれてたの……?あれは…?」
 視線を上に戻すと、普段目に入らないものが目に入った。
 それは、ヴィヴィオの席の後ろにいる少年であった。
「……あ!」
 その少年にヴィヴィオは見覚えがあった。
 そう、あのときヴィヴィオを助けてくれた両目をつぶっていた少年だ。
 記憶が一部分定かではなかったりするが、助けてもらった人の顔を忘れるほど記憶は曖昧ではない。単純に両目を閉じていてマントを羽織っていたという強烈的な印象があったせいなのもある。
「ココ、お願いね」
 ヴィヴィオは、肩に座っていたココが机に立つのを見るとかばんを手渡した。
「うん」
 ココに荷物を持ってもらうと、ヴィヴィオはその少年へと向かう。
 当然ながら、ココがヴィヴィオの荷物を支えきれることはないのでココは魔法を使って、ゆっくりと机にかばんを引っ掛けているだけなのだ。
「はじめまして!君、こないだ私を助けてくれた人でしょ?」
 少年の前に立ち、ヴィヴィオはそういった。
 その会話の様子を、多くのヴィヴィオの友達が遠くから見つめていた。転校生といえば、普通担任が説明をして、教室へ入ってくるものだと思っていたからだ。
 まさか、教室へくると知らない顔が何食わない顔で座っていれば当然普通の人であれば、びっくりするだろう。
 とはいっても、事前に転校生がくるという連絡は入っていたのだが、ヴィヴィオは全くと言って聞いていなかった。
 そのころ、ヴィヴィオはユニゾンに浮かれていたりと、心がここにあらずだったからだ。
「君は……さぁね、ただの気まぐれさ。というよりか、気のせいなんじゃないかな?まぁ、そんなこともあったような記憶もあるけど」
 少年は、声が聞こえた方に一瞬だけ顔を向けるが目がをあけていないためか、目の位置はヴィヴィオの胸の辺りでとまっていた。
「普段は、目を開けてないんだね?」
 ヴィヴィオが笑いかける。
「いや、僕は目が見えないんだ」
 ヴィヴィオは、そんなはずはないと少年へと聞く。
「そうなの?あのとき、あけていなかったっけ?」
「うーん、たぶん気のせいじゃないかな?確かにあのときはその場にいて、僕が魔法を使ったけど……おそらく、襲われたことによる影響で脳にある一定のダメージがいくことによる現像、つまり幻でもみたんじゃないの?」
 しかし、そもそもヴィヴィオと同じ教室にいるということは、それこそヴィヴィオほどではないが、魔法をほとんど扱えないか形にする程度しかできないはずだ。つまりは、大人の男(魔法を十分に扱えるレベルのもの)を退けるほどの力は、ほぼ100%ないはずなのである。ヴィヴィオがスカリエッティ事件と同じ力を解放できるとして仮定をするならば、あの場を制圧するのに10秒もかからないだろう。いや、それ以上にかからないかもしれない。
 つまり、それと同じことをこの少年はヴィヴィオの目の前で行ったのだ。
 あれが事実以外なにものでもない証拠だ。
 証拠といっても、少年がいうように現像……幻を見ただけというのもありえなくはない。恐怖心が勝手に、現れた少年を白馬の王子様のように妄想してしまう可能性も当然あるからだ。
 いわゆる、恐怖による記憶の曖昧さという考えだ。
「そうかなぁ、歯車が回っているのをみたんだけど?」
 ヴィヴィオが、人差し指を口にあてながらそういった。そのヴィヴィオの一言に一瞬、少年の眉毛が反応するかのようにぴくっと動いた。
「そっか、君は見てしまったんだね。まぁ気にしないで、義眼みたいなものだよ。ほとんど、目は開けないんだけどね。あけなくても見えるから」
 少年がそういうと、目を開き、見えていないはずの目でヴィヴィオを見つめる。
「うーん、そうなの?」
 ヴィヴィオは、何かがあのとき見た目と、今みている目が違う印象を受けたが気にしないことにした。あのときも、きちんとこうして見れていなかったため、本当にそうだったのか記憶がわからなくなったからだ。
 とりあえず、少年の目は歯車のようなものはなく少年が言うとおり、目の形をしたオブジェクト……いわゆる、義眼がそこにはあるだけであった。
「そう、ある程度魔力をまとっていることにより、いわゆるイルカの超音波みたいなセンサーかな。ある程度慣れが必要だけどね」
 ヴィヴィオの様子から何かを感じ取ったのか、少年は再び目を閉じた。
「イルカさん?」
「うーん、そうだね。実際にやればわかるかもしれませんね」
 少年は、そういうと実際に字を書いてみせた。目が見えないはずなのにすらすら文字を書き、さらに数学の数式さえ書いてみせた。
 うっすらと、魔力光が少年を包み込んでいるのが見えるが普通の人にはほとんど感じ取れない。ヴィヴィオは、近くに手本とすべき人が多くいたためかそれを感じとることができた。
「疲れないの?」
 ヴィヴィオも同じように魔力光を体に包み込ませようとするが、体がどっと疲れを感じたのですぐにといてしまった。
「生きていくためには、仕方がないことさ……何びゃく……とまぁ、そんな感じ」
 少年が口をとめる。
「百?」
 ヴィヴィオがふいにそう尋ねた。
「ん?そんなこといったかな?じゃぁ、こっちからも質問いいかな。高町ヴィヴィオさん」
 少年は、一瞬戸惑ったような顔をしたかと思えば、ヴィヴィオに笑いかけながらそういった。
「うん、いいよ。でもどうして私のことを知っているの?私はあなたの名前を知らないのに?」
「そうだね、その質問はわりと聞いてること事態、色々とおかしいけどね。ちなみに僕はリョウ。リョウ・O・ケニーっていうんだ。まぁ、辺境の場所からここまである理由から来たんだけどね」
 周りを見ると、その話を聞いていたのか周りの生徒はみんなうなずく。
 高町なのはの子供とあれば、一部で知られないはずはないだろう。
 現実に、この学校に通っている大半は高町ヴィヴィオを知っている。しらないのは、当の本人くらいじゃないのだろうか。
「そっか。そうだったね。私のママはすごい人だったもんね、私もがんばらないと!」
 ガッツポーズをしながら、えいえいおーと手をあげるヴィヴィオ。
「まぁ、元気そうでなによりだよ。それでこそ、ここに来た意味があったということかな」
 リョウはそういって笑う。その笑顔からは何を考えているのか判断がつかない。
 人は、目から思考を読むというがその目が開いていなければ余計に思考を読むことができない。
「意味?」
「まぁ、それが理由だよ。あんまり気にするとおそらく君のためにならない、ほらもうすぐ授業が始まるよ、席につかないと」
「あ、ほんとだ。これからよろしくね」
 ヴィヴィオは、リョウに手をつなぐ。
「うん、こちらこそよろしく」
 ヴィヴィオの机の上から睨み付けるかのように見つめる一つのデバイス。
「ふーん、あれが例外の人ですか。あの現場にいたとされる人間。ゴロツキだとはいえ魔法使い。しかし、そのゴロツキ以外に魔力反応がほとんど残っていない状態であの少年はどうやってゴロツキを倒したんですかね……」
 ココは、ヴィヴィオの机の上で唸りだす。
「ココちゃん、飴なめる?」
 仲良く話をしていた生徒の中の一人が、ココへと飴をちらほらする。
「食べるです!ぜひとも、むしろ私にどんどんもってきなさいです」
 その生徒を偉そうに指差すココ。
「あはは、ココちゃん相変わらずおもしろいこというね」
 そういって、少女はココの頭をなでる。
「何をいっているですか!ココは一番なんです!絶対なんですよ!こら、なでるなです!ココを撫でていいのは、ヴィヴィオだけなんです!」
「あはは、本当にココちゃんは、ヴィヴィオちゃんが好きなんだね」
 それを見て近くの生徒も同じように笑った。
「(何にしても、今後あの少年をよく見ておく必要があるですね。もしかしたら、あの人と関係があるのかもしれないですからね)」
 飴を頬張りながら、ココはヴィヴィオとリョウを見つめるのであった。
 このときは、ヴィヴィオはリョウがなぜ歯車に見えた義眼を持っているのは教えてもらうことはなかった。ヴィヴィオも特に気にはしていなかったが、自分が見ていない瞬間に何が起きたのかが少し不思議に思ったくらいである。

× × ×

「そう、近々始めるというの?」
 長い階段のために生まれた暗い影が包み込む中で、少女がモニターに移る男に向かってそういう。
「あぁ、そのつもりでいてくれ。こちらは彼女が仮だが、動く」
 その男の表情は見えないが、テンションが高いのか声が甲高かった。
「だ、大丈夫なんでしょうね?」
 少女が、心配そうにそういう。
「無論、本質的には君とほぼ変わらない。それに加えて、LSとブラッディソウルがある。まぁ、ブラッディソウルの方はまだ蓄えが必要だがね」
 いやらしくその男がにやける。
「よくいうわね、既にもう何惑星の人がブラッドイーターと化したのかしらね」
 少女はその笑いにいやけがさしたのか、冷めた目でその男を睨みつける。
「いうな、ティエルの仕事能力が高いだけだ。まぁ、逆に仕事が出来すぎて困ることもあるがな」
 男が声を上げ、笑う。
「彼女の使役する影たちはとても強いものね、鏡影によるカーニバルもおもしろそうね」
 少女の足元の影が、少女の隣に立つと少女と同じ姿をした人物へと変貌した。
「あいかわらず、そっくりになるのね。擬人化し、DNA、魔力等本人とまったくといっていいほど、そして、同じ能力をもつ影か……まぁ、当然というのかしら、その分クリアしないといけない条件も多いけど」
 少女は、変貌した影の頭を撫でる。影が変貌した少女は、うれしそうに裏表なく笑った。
「ははは、まぁそれもいいだろう。しかし、それは混乱後の世界でだ」
 男が急に真剣にそう話す。
「そうね、いざそのときがくるとなごりおしい……」
 少女が、ディスプレイのはじっこに映るひとりの少女の写真を見つめる。
「だろうな、そこまで認知があがるとやはり、苦戦したのだろう?」
「撹乱させれば、そんなのは関係ない。たとえ偽りであっても、事実さえ作ってしまえばどうにもできない。まぁ、ここまでがんばれたのは正直不思議だけど」
 少女は、CDを多数出現させるとそれらを叩き折る。それと同時に影が変貌した少女が影へと戻った。
「そうだな、君の役割は撹乱が目的だからそれはそれでよい。元となったデータがおそらくよかったのだろう。君たち姉妹にはそれなりにいいサンプルから作られているからな。作戦としては、あれだけ目立っていた人物が二人もいなくなるとなれば、混乱はしばらく進むだろう。それにサンプルが二つも入るのだからな」
 男が男の後ろにあるカプセルを指差す。
 中には、ひとりの少女と何も入っていないカプセルがそこにはあった。
「あのこがくるとなれば、私も失敗はできないわね」
 少女がどこか悲しそうな顔をする。
「あぁ、君のLSはあいつがいてこそ100%以上の性能になるのだからな」
 それをきいたのか男が笑う。
「はん、そのように作ったのはカザンあなたでしょ?」
 男を睨みつける。
「ふふふ、そうだね。それも制約があってしょうがないことだ。さぁて、ティエルも楽しそうだからな。祭りはそろそろ開始される。それだけは感じていてくれ、ではな」
 そう男がいってコンソールが閉じる。
「あのこがついに目覚めるのか……私のかわいい妹」
 影が少女の声に反応してその人物になろうとするが、少女はそれを制止させた。
「……フレイヤさん?」
「!?」
 少女は階段の上を見ると、一人の黄色い髪を持っている少女がこちらを覗いていた。
 それは少女にとって見られたくはない人物。少女は見られてしまったと一瞬顔をにがませる。
 もし、見られたのだとしたら、殺すか連れ去るしか方法がない。
 今ここで、止めるわけには行かないのだ。
 迂闊であった、CDを割るときに死角からどうやらでてしまったようだ。
「え!?、こ、こんにちはヴィ、ヴィヴィオ。どうしたの?」
 少女は、なぜか階段上から人がくることに気づいていなかった。
「今度ね、このことユニゾンするんだ~」
 ヴィヴィオは肩に座っているちいさなデバイス・ココを指差す。
「ヴィヴィオ、こいつだれです?」
 そのちいさなデバイスは、少女を指差す。
「あれ、知らないの?最近有名なアイドルさんだよ」
 少女は、ヴィヴィオに笑いかける。ヴィヴィオの話を聞く限りでは見られた様子はなさそうであるが、デバイスとなるとまわりの魔力等で状況を感じ取る可能性がある。
「そうなんですか、ココはあんまそういうデータはないです」
 ココの話を聞く限りではそれはなさそうと判断した少女は、ざわつく足元の影を落ち着かせた。
 ティエルから借りたこのこが動けば問題なくいけるが、少女はそうしたくなかった。
「ふふふ、かわいいね。あなたのデバイス」
 少女、フレイヤはココの頭を撫でる。
「むぅ!!!撫でるなです!」
 ココは撫でる手をどかそうとするが、かまわずフレイヤは続けた。
「ありがとう、フレイヤさん。フレイヤさんはデバイスをもっていないの?」
「いや、私はとくにデバイスというものはもってないかな。しいていえばこの身体かな」
 ヴィヴィオの前で一回転するフレイヤ。その姿はスケートで見るスポットを浴びたような存在感をどこか感じた。
 これが、アイドルというものなのだろうか。
「身体?こないだみたいな高速移動?していたのと何か関係あるのかな?」
 思い出すかのように指をかむヴィヴィオ。
「どうかしらね、ちまたで有名な噂の戦闘機人なのかもしれないよ?とはいっても、それに私はどちらかというと魔法は得意ではないよ」
 フレイヤが怪しく笑いかける。
「ふーん、戦闘機人ではないと思うよ。ね、ココ」
「そうですね、データと示し合わしてもそのようなデータはなさそうです。あの事件に関係した少女たちは、すべてデータにあるです」
 ココが人差し指をたてるとそういう
「一瞬でデータをとりこんだの?」
 フレイヤが、気になったのかそう尋ねた。
「違うです、ヴィヴィオから預かってるこの端末で調べただけです」
 小さな携帯電話のような端末を見せるココ。
 ココ用なのか見せられてもまったくもって、小さくてよくわからないとフレイヤはぼやいた。
「なるほどね、そこは私の所属している企業かしらね?」
 フレイヤの情報が載っているのは主に3つがあげられる。
 一つは、芸能企業。
 二つは、学校。
 三つは、あの人のところ。
「そうですね、とりあえずでたところがそうです。まぁ、ココには全然及ばないですけど」
 あきれたかのようにそこには笑い声が何分にもわたって続いていた。
 このときが、もしかしたら三人が揃って思いっきり笑った最初で最後の時であったのかもしれない。
 しかし、それはこの三人には知ることすらない。
 それはかつて、ヴィヴィオが見た歯車と動く一つのパーツであるかのように……
「そろそろ、行くわね。仕事の時間だわ」
「うん、またね!今度私の家に遊びに来てくれるとうれしいな」
「そうね、時間があったらよらせてもらうわ」
 そう、次のステージへ行くために……

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